“光の作法”もかなり卓越していた

2011.04.25

窓の高さをズラし、天井には変化をつけ、四面は壁という不思議な構造。これは、利休が自然光の反射を強く意識したため。部屋に方向性をつけず、外光を散らすデザインなのです。背を低くしてこの茶室に入ると、目の高さは畳に近くなります。その際に、窓から入り込んだ光が天井、壁、床の間の軸などに美しく反射する様子を味わえるように計算されているのです。低い位置から見上げたときに、この小さな空間が一つの器として美しく見えるように計算された、凝縮された美。利休は茶道だけでなく、“光の作法”もかなり卓越していたといえるのかもしれません。この空間が政治経済のうえで重要な役割を果たした時期がありました。織田信長をはじめとして、豊臣秀吉ほか多くの武将たちがその中心。この空間で生まれる「結縁性」こそが戦国期を通じて、武将たちが茶の湯に腐心したもっとも大きな理由といわれています戦いにおいては親兄弟といえども裏切られることの多い時代。そうしたなかにあって「茶を点てるぼうとそれを飲むほう」とのあいだに結縁性が自然に生じると認識した武将たち。互いの関係確認のために茶の湯を利用するようになったのです。密接な関係を確認し合う場。そこで、数人しか茶の湯ができない非常に小さな茶室がつくられたのです。
(参考)
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