印刷の組版にたとえてみる

2011.07.18

印刷の組版にたとえてみよう。句点をピリオドに替えるという必要がおこったとする。活版ならとてつもなく手の速い職人さんが句点をピンセットではさんでピリオドに替えていくことになる。その様は壮観だが、たいして能率があがるわけではない。電算写植ならコンピュータの画面上で、句点を見つけて、片っ端からピリオドに置き換えていくという作業となる。腕のいいオペレーターなら熟練の活版職人の二、三倍の仕事はするだろう。しかし、それ以上にはなりえない。これだけではコンピュータを中途半端に自動機械として使っているだけで、本当の意味でのデジタル化とはいえない。ところが、ここにプログラムをかじったオペレーターがいたとする。「なんだそんなもの簡単じゃないか」といって、句点をピリオドに替えるというプログラムを書くだろう。おそらく、そのプログラムを使えば何百ページあろうと作業は一瞬で終わりになる。作業効率に換算すると、千倍ではきかない向上である。実際の作業上ではこんな単純な話ばかりではないが、コンピュータ化の真のメリットとはこういう劇的な生産性向上にこそあると思うのだ。だが、困ったことに実際の印刷所の現場では、コンピュータの画面の上で句点を探して一個、一個、ピリオドに手作業で変更するような力まかせの処理があまりに多い。結局のところ、以前の手作業の工程をひきずって、考えるより先に手先が動いてしまっている。デジタル化か進行すると、こういう癖は意味がないどころか害にすらなってくる。
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