広いスペースへの願望

2011.06.23

某建設会社の主力商品である「サンヴィアーレ」シリーズが、ターゲットとする層は、まさにこのキャリアシングルである。ここではもっぱら、このケースに焦点を絞って某建設会社の賃貸住宅を考えてみよう。現在、若者に好まれる民間アパートの形態は、やや広めのワンルームということになっているが、その理由について、専門家は次のように説明する。「少子化で子どもさんは大事に育てられています。小さいときから個室を与えられていますから、狭苦しい間取りにはあまりなじみません。従来のワンルームよりやや広め。「サンヴィアーレ」はそれを訴求点にしています。傾向としては、細かく間仕切りをするより、ゆったりした空間を構成したほうが若者には受けるようですね」これは、賃貸に限らず住まい全体の傾向としても同様である。そのむかしは、団地に代表されるように、間仕切りで部屋数を多くつくったほうが喜ばれた。だが、いまでは、部屋数よりも、一室当たりのスペースを大きく取るほうが喜ばれる。とはいえ、富山あたりでは、相変わらず、仕切りを多くして、部屋数を取ったほうが好まれるというから、住まいの考察としては興味深いものがある。戦後、もののない時代からようやく抜け出し、人は「文化」にあこがれた。「文化住宅」「文化鍋」など、昭和三十年代前半はなんでも「文化」がついたものだ。このころの個室に対する考え方は、あくまで「マイルーム」なのだ。それは、大家族主義のなかでの「個別の部屋」の確保を意味していたのである。したがって、狭くても、間仕切りでほかと隔絶した自分だけのスペースでなければならなかった。ところが、社会が豊かになり、小さいうちから個室の生活に慣れた世代は、逆にこの仕切りが一種の障壁として作用する。広いスペースへの願望である。そのため、独立して自分の生活空間を確保するとき、おのずと細かく仕切られた間取りではなく、広く開放的な間取りを選ぶ。では、富山の事例はどう解釈すればいいのだろうか。富山県は、持ち家比率が全国一である。首都圏などに比べると、地価も安く、スペースも十分に取れる。そのため、三世代同居は当たり前で、いまだに大家族主義が生きている地域だ。ということは、マイルーム(個別の部屋)に対する願望がまだまだ残っているのだ。こうした傾向は、地方にいくほど強く残っている。大都市、首都圏では逆の発想が必要だろう。部屋はゆったり広くなければならない。東京、埼玉を中心に事業を展開している某建設会社では、当然、こうした消費者ニーズの動向を的確にとらえつつ、常に入居者に支持される商品づくりをめざし、取り組んでいる。

[参考情報]
日本管理センターの家賃保証
http://www.jpmc.jp/
株式会社MDIのアパート経営
http://www.mdi.co.jp/land_use/apt_management/
アパート建築・賃貸経営 | 株式会社MDI
http://www.mdi.co.jp/