「今まで税金を納めてきたのだから区の援助を受けて直しなさい」と説得が必要です。工事費をただで受けるなどという経験はないですからね。」工務店の社長や大工の感想である。彼らは、いわば住宅改造の啓蒙家である。これは行政にとっても大きな力である。組合に属する建築職人たちは、この仕事にとりくんでから跡継ぎになる若者がふえたという。職人の後継者難は長いあいた頭の痛い問題であったが、若者たちはJ2クラブというグループをつくり、廊下の幅を車いすがとおれるように初めから4尺にするなど、家屋構造全体の研究にとりくむ。
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技能養成の短大ともいうべき建築カレッジを設けて若手職人を育成する。一級建築士などの資格の取得にもとりくむ。江戸川区でとりくまれている住居改善の仕事は、住まいとまちづくりの主体性を、住民、行政、建築労働者が力をあわせてとり戻すことにつながっている、といってよいだろう。1997年5月13日、東京日比谷公会堂に大工・職人、市民など約700人が集まり、「いま国民の住まいが危ない、これでいいのか日本の住宅政策」という呼びかけのもとに集会を開き、デモをした。首都圏だけで30万人をこえる建設関係労働組合員は、住宅政策の転換を目指す新たな運動にとりくむという。