「ニューアメリカンドリーム」を追い求めた

2011.06.06

ビジネスの世界では、企業から消費者へのCを「BtoC」と呼ぶ。BはBusiness、CはConsumerの略だ。それに対して、企業間のマーケットを「BtoB」と呼ぶ(toはtoが同音であることから)、ことにアメリカでは「B2B」などと表記するのが一般的になりつつある。違和感をもつ方もおられるだろうが、便宜上、「2」を用いることとしよう。B2BにせよB2Cにせよ、こうしたe化の波は、「ドット・コム・カンパニー」(インターネット上でのサービスや流通事業を目的とした新興企業群の総称)と呼ばれる無数のベンチャー企業を、まさに雨後の筍のごとく発生させた。かつては考えられなかった新しいビジネスアイデイアを打ち出した会社の価格、すなわち株価は、従来型の企業に比べて極端に高い値がついた(アマソン・ドット・コムが95年の創業以来、5年続けて赤字であるにもかかわらず株価が上昇しつづけたことはあまりにも有名である)。無数のベンチャー企業は、無数の「ドット・コム・ビリオネア(長者)」を生みつづけている99年にMIT(マサチューセッツ工科大学)やハーバード・ビジネススクールなどでMBAを取得したビジネスエリートの実に20〜30%が企業に就職せず、「ドット・コム起業」の道を選択したという。ストックオプションによってビリオネアになる「ニューアメリカンドリーム」を追い求めたというわけだ。これらをもって「ネットバブル」とも称する。たしかに大多数は期待先行、そのうちかなりの部分がバブルなのかもしれない。しかし、高い株価を背景に有利に調達した巨額の資金を有効に投資し、競争優位に立って経済を牽引してゆく企業が数多く出てくることもまた事実なのである。