漢方薬は東洋のハーブです。漢方薬は、症状ではなく、体質に応じて処方されます。体質が変われば、当然その処方も変わってきます。同じ漢方薬をずっと飲みつづけるのはおかしなことです。最近、医師がクスリの代わりに漢方薬を症状に応じて出すところが多くなってきました。その理由は、漢方薬には、副作用がないからだということです。ここに二つの大きな間違いがあります。体質(証)を診ないで、症状に対して漢方薬を処方することは、正しくありません。なぜなら同じ風邪でも、そのときの体質によって、処方する漢方薬は異なるからです。風邪ならば誰にでも葛根湯を処方するのは大きな間違いです。漢方薬の考え方は、西洋現代医学の考え方とは違います。病気に対する考え方が違うのですから、漢方薬を処方する際には、東洋医学的な診方をしなければ意味がありません。西洋現代医学のクスリに単純に置き換えられるものではないのです。もうひとつの間違いは、漢方薬には副作用がないという思い込みです。漢方薬にも西洋現代医学に勝るとも劣らない副作用があります。副作用がないからと安心しきって、必要もないのに、長く飲みつづけているとありかたくない副作用が現れます。漢方薬で一番多い副作用は、脱力でしょうか。トイレに座っていて、いざ立とうとしても立てなくなって、やっと気づいたりします。漢方薬には、利尿作用のあるものが多いので、尿の量が多くなります。必要以上に多くなれば、体に必要なミネラルも尿とともに体の外に出ていってしまいます。カリウムというミネラルは、筋肉が仕事をするうえでなくてはならないものです。そのカリウムが不足すれば、十分な力が出せなくなります。それでトイレでしゃがんだまま立とうと思っても立てなくなってしまうのです。また、心臓は筋肉のかたまりで、毎日休むことなく、本人が寝ている間も働いています。カリウムが少なくなれば、その心臓のリズムも狂ってしまいます。心臓のリズムが狂うことを不整脈といいますが、規則正しく同じ間隔で刻まなければならないリズムがおかしくなってしまうのです。脱力は、漢方薬の副作用の中では多く見られ、しかも気づきにくい症状です。漢方薬には、ほかにも附子や麻黄といった劇薬に相当するものも含まれていることがあります。当然、使い方によっては、その副作用も重篤なものになります。このようにハーブも漢方薬も、時と場合とその人に合うかどうかによって摂るものであって、食べ物のように日常的に摂るものではありません。